契約書にキャンセル条項をいれるべきか、どうか。
実際に頂戴するときのことを思うと、
ちょっと気が引ける場合もあるかと思います。
そもそも、キャンセル料とは何なのでしょうか。
気が引けるという場合には、きっと
「被った迷惑に対するお詫び料」
であるという考えがあるのでは、と推測します。
プライベートの飲み会をイメージしてみてください。
あなたは、幹事です。
会費は 5,000円。
「いついつまでに連絡くれたら、キャンセル料金かからないよ!」
と、期日もしっかりと連絡し、当日を迎えたところ。
2人の当日キャンセル者が出てしまいました。
(話を簡易化するために、料理代と飲み物代をわけて
店側と価格調整する、というステップは省きます。)
ここで、その2人からキャンセル料を取らないとすると、
どうなるでしょうか。
合計 10,000円 に関して、
その場にいる人での頭割りでの負担になります。
幹事は、その人が来てくれたら最大限に楽しんでもらえるように
企画、段取りをし、店側との調整をしてきました。
つまり、参加表明をしてくれた人の権利を、
時間をかけて、最大限に保全する努力をしてきたわけです。
ここで、キャンセル料を取らずに、
その分を出席者で頭割りしたとしましょう。
当然、ひとりあたりの会費が上がります。
あなたの仕事に置き換えます。
このことは、何を意味するか。
つまり、契約キャンセルのリスクヘッジのために、
既存顧客の単価を上げざるを得なくなる、ということ。
あなたは、ある顧客のために時間を空け、
設備投資をし、人員配置をしました。
でも、キャンセル。
その場合、キャンセル料を取らないと
売上はゼロになります。
ゼロでも、固定費はかかりますし、
配置した人員には、
報酬を支払わねばなりません。
ここに、大きなリスクがあります。
つまり、その費用を吸収するために、
既存の優良顧客の単価を上げざるを得なくなるわけです。
今までは正当な価格で勝負していたものを、
リスクヘッジのために、単価が上がる。
選択肢としては有りですが、
どうせ値上げするなら、
もっとポジティブな要因で実行したいところです。
つまり、キャンセル料とは、
「既存の優良顧客に、正当な価値提供を継続するためのもの」
ということになるのではないでしょうか。
その上で、どんな選択肢があなたの前にあるのか。
考えてみるのも良いかもしれません。
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