新製品・新事業を開発したい
シフト ~ 自動車メーカーが自動車メーカーたる理由
From:海東和貴
丸の内のオフィスより
IoT(アイ・オー・ティー)という言葉、
ピンと来る方が多いと思います。
言葉としては「Internet of Things」の頭文字を取ったもので、
意味としては、『様々な「モノ」がインターネットに接続され、
それらが単に繋がるだけではなく、
モノがインターネットのように繋がる状態となり、
それぞれが情報交換することにより相互に制御する仕組み、となります。
日本における法解釈に触れるとすれば、
2016年4月20日に成立した特定通信・放送開発事業実施円滑化法において、
「インターネットに多様かつ多数の物が接続され、
及びそれらの物から送信され、又はそれらの物に送信される
大量の情報の円滑な流通が国民生活及び経済活動の基盤となる社会の実現」
と定義されています。
私たちの生活の一部として捉えると、
「冷蔵庫や電子レンジがインターネットに繋がる」ことをイメージすると、
身近に捉えられるかもしれません。
ただ、経営者としての視点に立ってこれらのことを考えてみると、
もっと大きな可能性を感じるはずです。
少し、話を変えます。
自動車が特定の企業にしかつくれない
(つくることが難しい)のには理由があります。
それは、内燃機関です。
ガソリンを爆発させて原動力とするには高い技術力が必要で、
それによって「自動車」というものは特定の企業にしかつくることができません。
一方、“電気”自動車となると、どうなるか。
要は電気とモーターで動く“大きなラジコン”ですから、
家電メーカーでも、おもちゃメーカーでもつくれるようになります。
これは、大きなパラダイムシフト
(思考や概念,規範や価値観が、ある時点で革命的非連続的に変化すること)
です。
IoT に話を戻しましょう。
かつては、私たちがインターネットに接続するには、
能動的である必要がありました。
モデムを起動し、電話回線に繋ぎ、基地局の番号を入れて
回線を接続する必要がありました。
そして、我々が“意図して”送ろうとしたデータのみが送信されていました。
ところが、今は違います。
スマートフォンが勝手に送っているのです。
受動的です。例えば、Google Map のアプリからは
15分に一度、Google に位置情報が飛んでいます。
(設定によってこの機能を切ることはできます)
結果、Google は、世界で最も渋滞情報を持っている、という状態です。
これが、IoT の肝です。
モノがインターネットに繋がることで、
全てのモノが再定義される状態です、
例えば、眼鏡がインターネットに繋がったとします。
自分が視覚的に“見た”モノの、関連する広告が表示されるようになります。
眼鏡を売って終わり、というビジネスモデルが、
大きく転換します。パラダイムシフトです。
あなたのビジネスにおいて、
パラダイムシフトを引き起こせる領域はありますか?
– 海東
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