隣の芝生は青い

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新製品・新事業を開発したい

隣の芝生は青い

From:海東和貴
東京タワーのみえるホテルの客室より
(経営計画策定のために籠もる)

アール・ナイチンゲールという人がいます。
(近代看護教育の母と言われる、
フローレンス・ナイチンゲールではありません。)

アール・ナイチンゲール。
アメリカ出身の自己啓発作家であり、実業家です。
「自己啓発」と言われる分野のパイオニアとして、
知る人ぞ知る存在です。
その彼が「隣の芝生」というストーリーを書き残しました。

ある牧場主。
彼は毎朝、コーヒーカップを手に敷地の中の高い丘に行き、
頂上から周囲を見回すことを日課としていました。
その際いつも、遥か遠くに見える
隣の牧場の牧草の方が「自分の牧場よりも青々として美しいな」
と思っていました。

その、隣の牧場主。
彼も同じ日課を持っていました。
敷地内の高い丘に行き、頂上から周囲を見回すのです。
彼もまた遠くに見える
隣の牧場の方が自分のところよりも青々としていて、
それを思うたびにくやしさを感じ、苛立ちを覚えるのでした。

ある日、ふたりの牧場主は
町で偶然にも会うこととなりました。
酒を飲み、コミュニケーションが進むうちに、
取引を交わすことになりました。

牧場所有権を交換したのです。

それぞれが交換した相手方の牧場に
移り住んだ翌日の朝。
2人とも起床と同時に、
いつもの日課を果たしに丘の上に行きました。
そして、衝撃的な体験をするのです。
隣の牧場(もともとの自分の牧場)の方が、
今のところよりずっと青々としていたのです。

人は、新しいものを手に入れたり、
人が持っているものと交換することで、
自分の人生を豊かにしようとします。
プライベート、ビジネス問わずです。
それは、人間の持つ
共通心理から生まれる欲求です。
自分の領域にないものを自らの領域に加えることで、
課題を解決し、生き方を豊かにしようとします。

ただ、何か新しい領域のものが
自分の範疇に入った途端、
それは「外部のもの」ではなくて「自らの一部」になります。
そうなると、また視点がもとに戻るのです。
今度は更に外の世界のものを求め、
この欲求の旅は終わることがありません。

ここは、考え方の転換が必要な場所です。
まずは、自己の領域とそうでない領域の間の
区別をつくらないこと。
全てのものが自身に影響を与えている要因と捉え、
その全てを含むことを意識すること。
その上で、自分のコアとなる部分を
増強することが重要です。
何か新しいものを取り入れるのではなく、
自らの持つ、自らの中心となるものを
更に向上させること。

この発想に立ったとき、人が成長する速度は
劇的なものになります。


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