人材を強化したい
脱・ポジティブシンキング
From:海東和貴
丸の内のオフィスより
そんなに言われることもありませんし、
私自身改めて感じることもありませんが、
敢えて言うなら
私はポジティブ・シンキングではありません。
どちらかと言えば、ネガティブです。
ただ、過去を感情的には捉えていないので、
ネガティブ思考ではありますが
過去によって未来の選択が
大きく引っ張られることはあまりありません。
私は世間の「ポジティブ・シンキング」に
鬱陶しさを感じることがあります。
ホテルのラウンジで、
女性のパーソナル・コーチングのセッションなのか、
隣の席からこんな会話が聞こえてきたことがありました。
「友だちが少ないんですか。
でも、それって言い換えれば
一人で過ごす独創的な時間が長い、
っていうことですよね?
ひとりの時間はどんなことをされているんですか?
これから更にどんなことをしたいですか?」
これね、コミュニケーションの手法としては
優れてれてます。
相手の価値観をシフトしていますから。
でもね。
私は鬱陶しいと感じてしまう。
私には、ポジティブな思考よりも
大事にしたいことがあるんです。
それは「正確に思考すること」です。
先のセッションを、
私が経営参謀として行うセッションに置き換えた場合、
「取引先が少ないんですか。
でも、それって言い換えればひとつひとつの取引先に
濃いサービスを提供できるということですよね?
今はどんなサービスを提供していますか?
これから更にどんなことをしたいですか?」
と返すことになりますが、
この場面で、こんな思考は必要ありません。
まずは、現状のビジネスにおいて
適切な顧客数がいるのか、
顧客単価が適当か、
取引の数を増やすとしたら
新規顧客か既存顧客か、
その比率が適正か、
などをヒアリングする必要があります。
そこから「正確に思考すること」をします。
なんでこんなに長々とした前置きをしたのかと言えば、
実はポジティブ・シンキングというものは
人間にあまり良い効果を及ぼしていないから、
ということを伝えたいからです。
20世紀の初旬にカリフォルニア大学で
ある研究がなされました。
1,500人の子どもの頃から死ぬまでを調査し続けた
80年にもわたるプロジェクト。
その中で「常に全力で働き続けることと
それによるストレスは、
健康にとって良いものである」
という結果が出たのです。
勤勉な人ほと長生きでした。
勤勉な人はそうでない人に比べて、
より個人としての責任感を持ち、
「深く悩み続けた人生」でした。
つまり「ポジティブな方が良い状態」
というのは短絡的な思考なのです。
もっと深く、正確に思考する必要があります。
ビジネスにおいて、
ポジティブ・シンキングが
邪魔をしている場面はありませんか?
ご自身の思考の癖を、
省みる時間を取ってみてはいかがでしょう。
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