紹介の連鎖が途絶えた日

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紹介の連鎖が途絶えた日

From:海東和貴
自宅の書斎より

ある治療院の話です。

稼働率は常に高い数値を推移し、
お客様からの紹介も効果的に発生していました。

あるとき、
「紹介してくれてとてもありがたいから、
紹介してくださった方に御礼をしよう」
ということで、紹介してくれたら
○○キャッシュバック、
といった特典をつけることにしました。

それまでは、紹介してくれた場合でも、
言葉で御礼を伝えていただけでした。
何か目に見える形で
お返しをしよう、と考えたのです。

ある種“紹介の制度”としては
有効に作用すると思えるこの試み。

結果的に、失敗に終わります。
紹介が激減したのです。

どんな理由だと想像しますか??

答えは、紹介謝礼によって、
それまでは「相手のため」だったものに
「自分の利益」という要素が
加わってしまったこと。

紹介した相手から
「なんだ、自分が得するために誘ったのか」
と思われてしまうことに
恐れを感じる人が多く出てしまったのです。

紹介を効果的に起こすために
まず必要なことは
「紹介する相手のメリット」です。
相手にメリットがあるから、
紹介をするのです。

治療院を始めとする
リラクゼーションの世界には、
多くの施術方法があります。

鍼、カイロプラクティック、整体、
整骨、アロマトリートメント、
などなど。

その中から、例えばどの業態にいっても
症状は改善するけれど、
「私のところに来た方が○○という理由で
圧倒的に早く改善する」
といったメッセージを
顧客と見込み客に“発信”をすることで、
「相手のため」という想いが
「自分のメリット」などという
小さな要素を凌駕してくれるようになります。

つまり、紹介制度という
数値的体系的な“定量的な要素”に加えて、
想いや確信などの“定性的な要素”を
きちんと適切に発信することが大事です。

冒頭の治療院に関して言えば、
腕が良く、実際に多くの人が来院していたため、
顧客は単純に「良い治療院だよ」と
紹介ができていました。

それがキャッシュバックという、
数値的体系的な“定量的な要素”
だけが先走ってしまったのです。
それによって、紹介の波が静かになってしまいました。

今後は、想いや確信などの“定性的な要素”を
きちんと発信し、顧客に浸透させていくことで、
その両輪のバランスが取られていくことになります。

(多くのビジネスにおいて、自分の“良さ”をしっかりと纏め
 それを発信することを怠っている場合が多いのです)


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