新製品・新事業を開発したい
弁護士と、トレーナーと、内装と。
熱がある。
寒気がする。
明日は、大事なプレゼンテーション。
かかりつけの病院は、休診日。
あなたは、節々が痛む身体に鞭を打ち、
いつもと違う病院へ行く。
程よく空調された待合室で、待つ。
何人かの患者が出入りをし、
あなたの名前が呼ばれる。
あなたは、診察室の2番に入る。
そこには、あなたが初めて会う男性がいた。
* * *
前回の記事で、
自分は一体、人からどう見られているのか
ということをテーマに扱いました。
自分が思う“自分”と、人がみる“自分”。
これらを統合することで、
新しい世界が開く、という話です。
実は、多くの人がやっていないことがあります。
それは、「なぜ、自分の話を聴く必要があるのか」
ということをきちんと顧客に伝えていないのです。
あなたは、法律の専門家。弁護士。
ある人が、夫婦間のトラブルを抱えていると知る。
その内容なら、自分がサポートできるかもしれない
と思い、相談に乗る旨を伝える。
ところが、離婚を考えていないその人からしたら、
「なぜ、あなたの話を聴かないといけないのか」
ということが、ピンと来ていない。
従って、せっかくサポートできる可能性があったのに、
うやむやに流れる。
あなたは、ボディートレーニングの専門家。
ある人が、腰にトラブルを抱えている。
その症状なら、自分がサポートできるかもしれないと思い、
話を聴いてほしいと伝える。
ところが、相手は「腰が痛い」のであって、
身体を鍛えたいわけではない。
「なぜ、あなたの話を聴かないといけないのか」
ということが、ピンと来ていない。
従って、本来なら身体全体のサポートができたはずなのに、
うやむやに流れる。
あなたは、内装設計の専門家。
ある人が、店のオペレーションに問題を抱えている。
自分ならサポートができるかもしれないと思い、
話を聴いてほしいと伝える。
ところが、相手は「動線が悪い」と思っているのであって、
内装をいじりたいとは考えていない。
「なぜ、あなたの話を聴かないといけないのか」
ということが、ピンと来ていない。
従って、本来なら動線設計から見直せる機会を、
うやむやに流してしまう。
冒頭に戻りましょう。
あなたは、診察室2番に呼ばれました。
初対面の医師の診察を受け、
指示を聞き、薬の処方を受けます。
なぜ、あなたは、
初対面の見知らぬ男性が処方した薬を
飲むことができるのでしょうか??
ここには、明確な理由があります。
それは、その初対面の医者が
「白衣を着ているから」
です。
もしあなたが、
診察室2番に入り、
そこにオレンジ色のシャツにジーンズを吐き、
少しカジュアルなスニーカーを履いた男性から
「この薬を飲みなさい」
と言われたところで、「は?」となるはずなんです。
それを声に出すか出さないかはさておき、
その男性に対して、信頼を置くことはできないでしょう。
あなたは医者の言うことを聞くのは、
医者が「白衣を着ているから」です。
では、あなたの顧客が、
あなたの話を聴く理由の根源にあるものは、
一体なんなのでしょう。
考えてる時間を60分、取ってみてはいかがでしょう。
思いついたものは取捨選択せず、
全て紙に書き出すことをお勧めします。
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