「頑張って」以外の言葉で、子どもを勇気付けるには。 – とある秋の定例運営委員会 PTA会長挨拶

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2014年11月7日
PTA 定例運営員会にて

いつもPTA活動にご尽力をいただき、ありがとうございます。2学期も既に半ば。行事が多く、活動が集中する時期です。ご尽力いただきつつ、体調などご自愛いただければと思っています。

「頑張れ」という言葉があります。人によって色々な捉え方のある、この言葉。私自身は好きでも嫌いでもありません。この言葉をもらったからといって、「よしやるぞ!」ともならないし、「ここまで頑張ってこなかったと言いたいのか!」と憤る気持ちになることもありません。

ある国の方の言葉を紹介します。「日本人は、頑張れって言葉が好きだよね。」「でも日本人って、そんな言葉がなくても、充分にみんなが頑張って働いてるよね。」「だから、あまりその言葉、日本人同士で言い合わない方が良いんじゃない??」その彼が言うには、彼の国の人は、日本人ほど働かないそうです。

「頑張る」という言葉。
「困難にめげないで我慢してやり抜くこと」「自分の考えや意志をどこまでも通そうとすること」という意味です。確かに、一般的な日本人は常に「頑張っている」ような気もします。そんな人に、何かちょっと滅入っているときに「頑張れ」と言ったとして、言われた方は何を感じるのでしょう。

想像してみるに、極端に憤る人もいるかもしれませんが、だいたいは私と同じように「よしやるぞ!」ともならないし、「ここまで頑張ってこなかったと言いたいのか!」と憤る気持ちにならない、というような、何事もない状態になるのではないかと感じました。

いずれの場合にせよ、その言葉自体が、何かしらの“化学反応”を起こすことはないのでは、と思いました。

子どもに置き換えてみるとどうでしょう。落ち込んだり、滅入っている子どもに対して「頑張ってみなよ」という言葉が、果たして助けになるのか。もちろん、なるときもあります。その言葉から愛情を感じて、子どもが元気になることは十分にあり得ることです。

でも「思考停止」で、何も言う言葉がないとき。「とりあえず、頑張ってみようよ。」と言葉を放っていることもあるかもしれません。思考停止の状態から生まれるものは、ほとんどありません。もし、子どもが滅入っているときに何も言う言葉を思いつかないとき。そこまで頑張ってきたことを、まずは「認めてあげる」ということをしてみてはいかがでしょう。

例えば、解いている問題がわからなくて滅入っているとき: 「もっと頑張って考えてみよう」ではなく、「そうか、一生懸命に考えたんだね。頑張ったんだね。」と言ってやる。その後は、「ちょっとだけ頭を休めてみる?」と言ってみたり。「教科書をもう一回、一緒にみてみようか。」と言ってみたり。一度、そこまで「頑張ったこと」を認めてあげることで、親としても次の道が見えたりします。

例えば、友だちから不本意な言葉を言われてしょげているとき: 「頑張って仲良くしようよ」ではなく、「そっか、そんなことを言われても怒らずにいられたんだね。頑張ったんだね。」と言ってやる。その後は、「どうしてそんな風に言われたのか一緒に考えてみようか。」と言ってみたり。「どうしたら、強い言葉にめげずに済むかを考えてみようか。」と言ってみたり。「一緒に遊んで忘れちゃおうか!難しいことは、気晴らししてから考えよう!」と誘ってみたり。一度「頑張ったこと」を認めてあげることで、新しい道筋が見えたりします。

今回は、敢えて「頑張れ」という言葉にフォーカスしてみました。
言葉とは、それそのものが「目的」ではなく、伝えたい何かを伝えるための「手段」でしかありません。子どもに伝える言葉、目的を果たすための意味をもった手段になっているか。時に考えてみる機会も必要だと感じます。

子どもが笑顔で過ごせる環境に少しでも寄与できるために、邁進したいと思います。今月もよろしくお願いいたします。

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この投稿の趣旨

10,000時間の法則、というものがあります。

ある分野でスキルを磨いて一流として成功するには、10,000時間以上の練習・努力・学習が必要というものです。世の中には、この法則について「十分条件」と「必要条件」がごっちゃになって語られている場面もあります。ただ、まぁ、堅いことを抜きにすれば、10,000時間もの時間を投資して何かをやってきたことは、自分自身の「自信」にしても良いもの、と思います。

私は「子育て」に関しては、優に10,000時間を超える試行錯誤をしていますが、その中の2,000時間ほどは、PTA会長として過ごした時間が含まれます。子どもたちの通う小学校で3年間、(東京都23区の、とある)区全体の連合会長として1年間、活動をさせてもらいました。

歴史が長く、あまりにシステマティックに組織運営がされていたため、運営そのものはママさんたちにお任せして、私は私ができることをしよう。そう思って就任半年後、2学期から、少しずつメッセージを発するようになりました。

そのスピーチ録を、フリー素材として公開しようと思います(著作権は放棄していません)。そもそもは、親や先生に私の考え方や価値観をリーチさせ、そこから「かっこいい背中の大人」を更に増やすことができれば、私がビジネスを通じて実現したいこととも通じるな、と思って始めたことです。かっこいい背中の大人が増えれば、子どもたちは、未来や自分自身に対して、更に強い希望を持つことができます。そういう子どもが増えれば、世界はもっと、魅力的なものになります。

世の、仕事がありながらもPTA活動等、子どもたちの過ごす環境の改善に努めてくださっている方のお役に立てれば、と思います。役割上、スピーチや、意見表明、書面への寄稿をするシーンも多々あるかと思います。時に、それらを創作する時間がないときには、このまま文章をこのまま使っていただいても構いません。その際、特にクレジット表記等も要りません。笑

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