言いたいことが伝わらない理由は? – 年間最後の定例運営委員会 PTA会長挨拶

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2015年3月6日
PTA 定例運営員会にて

本年度最後の定例運営委員会となりました。1年間に渡りPTA活動にご尽力いただき、本当にありがとうございます。ここを経験したからこそ得たもの、持ち帰っていただけましたら幸いです。総会に向けて、依然としてバタバタとした日々が続くかと思います。楽しんで乗り切っていただけましたら幸いです。

「りんご」の話をします。情報の元は曖昧なので感覚的な数字として捉えていただきたいのですが、「主婦業」を給与換算すると、年収1,600万円に相当する、というレポートがあります。

これを基に、ご家族やお子さまとのコミュニケーションについて考えてみます。「主婦」は毎日、ご家族と会話をしています。時には、言いたいことが伝わらずもどかしい思いをすることもあるでしょう。どうせ伝えるなら、「きちんと伝える」ために努力した方がお互いのためにも建設的ですが、なかなか上手くいかないときだってあります。

実は「伝えたいことを伝えられなくてもどかしさを感じている瞬間」に、1,600万円の価値が薄まっていっています。本当は社会に価値提供できるはずの時間を、コミュニケーションの齟齬に費やしてしまっていることになるから。ご自身のためにもご家族のためにも、そして社会のためにも望ましくはありません。伝えたいことは、正確に伝えた方が良い。

コミュニケーションとは、「エンコード」と「デコード」の繰り返しです。
ある人の脳に浮かんだイメージを、「言葉」という形でエンコード(暗号化)して、それが相手の耳や目に入り、デコード(解読)されます。

例えば、頭の中に「青森県でとれる赤い果物」が浮かんだとして、それを言葉で「りんご」と伝えたとき、もしかしたら相手の心の中には「青りんご」が投影されているかもしれないわけです。赤いりんごを思い浮かべてもらおうと思ったのに、相手には色の違うものが伝わっている。りんごひとつでこんな齟齬が生じるわけで、もっと複雑なコミュニケーションになれば、エンコードとデコードのミスが多発していることが想像できます。

ロシアのオイミャコンという町。永続的な居住地(都市)における世界最低気温を記録した場所です。その記録された気温は、-71.2度。マイナス、ななじゅういってんに度です。これ、いきなり隣に座っている人に「あのね、オイミャコンって町がね。-71.2度なんだって。」って言われたところで、「へぇ・・・?そうなんですか?」で終わるのではないかな、と思います。

ところが、もし突然にご自身がその町に放り出されたら、「死」をも覚悟するとんでもない体験をすることになります。相手の発した「寒い」という言葉の神髄を知ることになります。

コミュニケーションとは、自らの中に浮かんだイメージの世界を相手に「体験」させること、と言うこともできます。こう考えると、コミュニケーションはいかに自らの内面に浮かんだイメージを巧みにエンコードするかにかかってくることがわかります。言葉、身振り手振り、その他を駆使して、相手に自らの世界観を「体験」させることにかかってきます。

コミュニケーション能力とは、相手を、自らの創造した世界に存在させること。

これを意識すると、新しい視点を得ることができると思っています。それが、1,600万円の価値を保つことにも繋がります。

本年もお世話になりました。私からの拙い挨拶にご感想などいただき、感謝しています。来年度の益々のご活躍を祈念して、本年最後の挨拶といたします。1年間、ありがとうございます。

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この投稿の趣旨

10,000時間の法則、というものがあります。

ある分野でスキルを磨いて一流として成功するには、10,000時間以上の練習・努力・学習が必要というものです。世の中には、この法則について「十分条件」と「必要条件」がごっちゃになって語られている場面もあります。ただ、まぁ、堅いことを抜きにすれば、10,000時間もの時間を投資して何かをやってきたことは、自分自身の「自信」にしても良いもの、と思います。

私は「子育て」に関しては、優に10,000時間を超える試行錯誤をしていますが、その中の2,000時間ほどは、PTA会長として過ごした時間が含まれます。子どもたちの通う小学校で3年間、(東京23区の、とある)区全体の連合会長として1年間、活動をさせてもらいました。

歴史が長く、あまりにシステマティックに組織運営がされていたため、運営そのものはママさんたちにお任せして、私は私ができることをしよう。そう思って就任半年後、2学期から、少しずつメッセージを発するようになりました。

そのスピーチ録を、フリー素材として公開しようと思います(著作権は放棄していません)。そもそもは、親や先生に私の考え方や価値観をリーチさせ、そこから「かっこいい背中の大人」を更に増やすことができれば、私がビジネスを通じて実現したいこととも通じるな、と思って始めたことです。かっこいい背中の大人が増えれば、子どもたちは、未来や自分自身に対して、更に強い希望を持つことができます。そういう子どもが増えれば、世界はもっと、魅力的なものになります。

世の、仕事がありながらもPTA活動等、子どもたちの過ごす環境の改善に努めてくださっている方のお役に立てれば、と思います。役割上、スピーチや、意見表明、書面への寄稿をするシーンも多々あるかと思います。時に、それらを創作する時間がないときには、文章をこのまま使っていただいても構いません。その際、特にクレジット表記等も要りません。笑

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