事業基盤を強化・再編したい
従業員を“紳士”にする
From:海東和貴
自宅の書斎より
想像してみてほしいのですが、
コンビニの店員や地方観光地の食堂のスタッフ、
高速道路のサービスエリアのレジ係など、
何でも良いのですが
「接客態度は普通、敬語も使うし、
失礼はない、でもなんか面白くなさそうに仕事をしている」
という人に会ったことありませんか?
別に腹が立つわけではないけど、
特にその人から接客を受けても
何の感動もないというシーン。
直近の記憶から掘り起こしてみてください。
彼らは接客をしながら賃金を得ているはずなので、
言うなれば接客のプロフェッショナルなんですよ。
それでも、受け手が感動しないのは何故なのか。
それは、彼らのモチベーションの原点には
「賃金」しかないからだと私は思います。
要は「稼ぐために仕事をしている」から。
一方、賛否はあるかと思いますが、
ザ・リッツ・カールトン大阪の
フロント担当の接客を想像してみると、
私個人的な記憶から発掘しても、
応対終了時に小さな感動をした覚えがあります。
ここで「そりゃあリッツだから」と
短絡的に思考するのは勿体ない。
彼らも同じ「人」です。何が他と違うのか。
多くの場合、創業者の熱や想いは、
1世代先までは浸透します。
1世代というのは、間近にいる人間たちという意味です。
社長の1世代先は、社長自身が常日頃に
コミュニケーションを取る相手のこと。
仮に「取締役・事業本部長」が1世代先の場合、
各セクションの「部長」は事業本部長の先にいるので、
2世代先と表すことができます。
何が言いたいかと言えば
社長の「熱」や「想い」というのは、
1世代先、良くて2世代先にまでしか
伝わらないということなんです。
ましてや、アルバイトや
未来の人間に伝わるわけはありません。
つまり、その熱や想いを伝播する「仕組み」が必要なんです。
社長の創業の想い、
そのビジネスの存在意義を毛細血管の先にまで
充満させるための仕組みを創り出せた会社は、強いんです。
少なくとも「稼げるから」だけを理由に
仕事をするスタッフはほぼいないはずなんです。
先に例を出したザ・リッツ・カールトンは、
“We are Ladies and Gentlemen
serving Ladies and Gentlemen”
(紳士淑女をおもてなしする私たちも紳士淑女です)
という共通言語を持ち、
それらを紐解く作業を、各部門・各セクションごとに
毎日の朝礼でディスカッションしています。
あなたがビジネスを更に成長させるにあたっては、
間違いなく「チーム」という課題と直面する機会が多発します。
そのとき、どんな仕組みを持って
それと向き合うのか。
考える時間を持ってほしいな、と思っています。
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