入れ替わり体験

オンライン授業だったが、
おそらく現役学生の頃よりも
熱心に授業を受けていたんじゃないか。

海東は歴史の他にも
建築やら英語やら
クリエイティブシンキングやらの
授業を受けているが
特にビジネスに役立てようと
思ってのことではないらしい。

ただ、自分がこうやって授業を受けていると
コンサルを受ける側の立場に立つことができるから
その点は役に立っているそうだ。

人はたまに逆の立場になってみることが必要だ。
小説や漫画だって
読者のことを考えて描かれているはずだ。

料理を提供する人は
それを食べる人の気持ちになって
味見をしたり、食器を選んだりする。

教える立場なら、教わる人のことを
考えられるようにならないとな。

逆に教えられるばかりの人が
教える立場に立つと良い勉強になる、
というのはよく聞く話だな。

どちらの立場も経験してみるっていうのは
良いことだと思うぜ。

海東の好きなパフォーマーは
自分が舞台に立った翌日は
どんなに予定が立て込んでいても
一度客席に座る時間を作るそうだ。

そうしないと
サービスを提供する側から
サービスの受け手側に
気持ちが切り替わらないらしい。

それくらい両者の立場は違うってことだ。

読書諸兄も逆の立場になる機会を作ってみたら
普段は見えないようなものが
見えてくるかもしれないぜ。