死んだ会議

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生産性を上げたい

死んだ会議


From:海東和貴
自宅の書斎より

世の中には、
「会議」「打ち合わせ」「ミーティング」
というものが溢れています。

そのほとんどは、

1.    非同期通信で情報共有すれば良い内容について、
同期通信で情報共有を図ろうとしている
「非同期通信」とは、堀江貴文さんの著作『多動力』にある内容。
同期通信は、その通信に関わる人の全てが同じ時間を共有して
、同期している状態のもの。対面、会議、電話、音声チャットなど。
対して非同期通信は、
その通信に関わる人が同じ時間を共有していない状態のもの。
メール、LINE、テキストチャットなど。

2.    責任の所在を分散させるための時間

3.    人が集まれば良いアイディアが出たり、
良い道筋が見えたりするであろうという期待

のどれかです。

別に、これらひとつひとつの
善し悪しを論点としているのではありません。
そうではなくて、その会議の主催者と、
会議の参加者それぞれが
「今はなんのための時間なのかをきちんと理解できている状態」
で始められる会議があまりに少ない、ということです。

会議のゴールが“参加者全員”に共有されていないと、
その会議は死んだものとなってしまいます。

まずは、会議のゴールとその日の議事次第が、
参加者全員に「事前に」共有されていることが重要です。
議事次第には、当然ながら議題のリストとそれぞれのゴール、
そして“終了予定時刻”が
しっかりと明記されている必要があります。

終了予定時刻となったら、
議事進行の途中でも会議を終了しなくてはなりません。
なぜなら、その会議におけるもっとも有限で
貴重なリソースは“個々人の時間”だからです。
会議を予定通りに始めるために
参加者全員を予定時刻に集めたのであれば、
終了予定時刻もしっかりと守らないといけません。
それができないのは、会議主催者の怠慢でしかありません。

「1」からいきましょう。
非同期通信で情報共有すれば良い内容を、
同期通信で情報共有を図っている会議。
これは、直ちに非同期通信での情報共有に切り替える方が、
ビジネスとしてのパフォーマンスは向上します。
「定期的に顔をみることで、社内の風通しが良くなるんだ!」
という意見はもの凄くよくわかります。
わかります。
ただ、その主催者(経営者)の思いを、
参加者全員に理解させるのは難しいです。
どうしても定期的に顔を合わせる時間をつくりたいのであれば、
「3分間コーチング*日々、少しの時間で良いから、
上司と直属の部下が話をする時間をつくること。
基本的に、上司は傾聴と共感のみを行う」を取り入れるか、
会議に何かしらの“創造性の高い議題”を
入れるようにすることを考える必要があります。

「2」にいきます。
責任の所在を分散させるための会議。
これは民主主義の世界で生きる我々にとっては、
避けるのは難しい会議です。
会議主催者がどれだけ
「多数の人の有限の時間を自分が預かっているんだ」
という意識を持って、
誠心誠意、会議の準備をするかどうかにかかっています。
参加者全員に主体性を持って
参加してもらうための仕掛けが必要です。

「3」にいきます。
良いアイディアや、良い道筋を
みんなで出し合いたいというための会議。
この会議では、主催者と参加者の全員で、
あるピラミッド型の図形を共有する必要があります。
ちょうど、庵野秀明さんの代表作『エヴァンゲリオン』の登場する、
“第4使徒”のようなイメージです。
ピラミッドが2つ、上下にくっついているような形です。

その会議の時間を、アイディアを出し、
選択肢を増やすための、
いわゆる“ブレスト”の時間とする際には、
自分たちがピラミッドの上の部分にいる
ということを理解する必要があります。

まずは、裾野を広げている状態。
まだ結論を出したり、
着地点を導く時間ではありません。
選択肢を広げ、良いアイディアを創作するための時間。
これを実現するには、下記を徹底する必要があります。

•    全員が絶対に、人の意見を批判しない。
•    人が発言をしている最中は口を挟まない。
•    場に出た意見を、その全てをホワイトボードに書く。

意見、アイディア、発想、着眼点、イメージについて、
その場で考え得る全てのものを、まずは場に出し切ります。
ここは、ファシリテーション(議長)役の力量も問われますが、
まずは参加者全員がこのことを理解するだけでも、
クリエイティブな場はつくることができます。

意見が出尽くしたら、
今度はそれを収束する方向に導きます。
“使徒”で言えば、下のピラミッド。

意見を取捨選択、統合して、結論を導き、
着地点をみつける作業です。
今後の方向性を固め、具体的なアクションプランに
落とし込むための時間です。
この段階にきて、話をひっくり返したり、
新たにアイディアや選択肢を出す行為は極力、
控える必要があります。

そのためには、ピラミッド上部にて
選択肢を広げている状態のときに、
いかに「みんなの考えを出し切らせるか」が重要です。
ファシリテーション役の重要な仕事のひとつです。

この“使徒”のようなイメージで参加者全員が
「いまどの段階の話し合いなのか」を理解することで、
その会議はより有意義なものになります。

私自身、「会議の在り方」については
かなりの時間に渡って頭を使い、実践し、
他の組織でも会議の革命を行ってきました。

ここで書いてある内容は、ほとんどが独学と独創によるものなので、
あんまり一般的な本には書いてないものだと思います。
(あったらごめんなさい。偶然です。)

ただ、これを「会議主催者」となる機会の多い人が実践するだけで、
会議のパフォーマンスは相当に上がります。
社内でファシリテーション役の適任がいない場合には、
外部委託することも考えてみてください。

ビジネスの更なる発展のために、
その領域に資金を投資する価値は、充分にあります。

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