人材を強化したい
経済分野と社会分野の違い
From:海東和貴
丸の内のオフィスより
世の中には、色々な会員組織があります。
自分が経営する会社組織であれば、
自社の理念や想い、
目的などに共感している人が集まっているので、
その舵取り役として時には
トップダウンの指揮命令を使うことができますが、
会員組織ではそうはいきません。
例え自分がその会の代表者であったとしても、
自分の会社と違って任期があり、
自分が創ったものではない創立の理念があり、
会員全員に等しく議決権のある場合が
ほとんどだからです。
こういった組織においては、
例え会を代表する立場であっても
“取締役”的な立場ではなく、
“執行役員”であるという認識の方が
適切であると思っています。
会の総意について、会の代表として執行する立場。
組織を「お預かりしている」立場。
ある組織で代表を務めているとき、
会員から任期終了間際に
「この役職に付けられて無駄な時間を過ごさせられた」と
クレームを受けたことがあります。
当時、胃が痛くなり、衝撃を受けた発言でした。
会の代表として、そのとき言うべきだと思ったことを
下記のように伝えました。
* * *
ご意見ありがとうございます。
○○さんは、ご自身の子どもから
「自分が生まれてきた理由(意義)は?」と問われたら、
何て答えるんでしょうか。
納税、と実利的なことを伝えますか?
それよりも私はきっと、
「理由は自分で見つけてほしい。
少なくとも、君がこの世に生まれてきたとき、
自分はとても幸せな気持ちになった。ありがとう。」
と伝えると思います。
この組織のような会員組織は一般的な企業とは異なり、
上下の役職があるのではなく、
フラットな状態で任期ごとに役目が
ぐるぐると変わっているだけです。
そして、各セクションにつく前には、
必ず当事者との「合意形成」があります。
こういった組織の役職は「機会の提供」であり、
合意をした以上は、やる意義を当事者が
自分で見つけるしかないと思っています。
少なくとも、子どもと違い
親の都合でいつの間にか生を受けたという状態と、
会員組織の役職では意味が異なります。
子どもから「頼んでもないのに生みやがって」と言われれば、
それは謝るしかありませんし、
もっと話をしないと、と思うでしょう。
しかし、立場ある人から
“無駄な役職につけやがって”的な
被害者めいたことを言われても、何の気持ちも起きません。
私自身は、○○さんに
この任期中のこの役職の立ち位置、
どういう視点で見ていてほしいか、
どういう振る舞いをしてほしいか、
これらを述べた上で
役目を引き受けてくださった際には、
とても嬉しい気持ちでした。
嬉しい気持ちです。
「無駄な半年を過ごすハメになった」となったのは
私の当初の想いの伝え方が
足りなかった部分について反省はしますが、
それ以上はないです。
有意義な時間を過ごすか、
不毛な時間を過ごすか、
結局のところ、自分でしか決められませんから。
* * *
このあと、かなり長いコミュニケーションを取りましたが、
今回の記事の主題を述べます。
それは、経営者って、色々な会員組織に
所属する機会があると思うのです。
私も数多くの組織に所属してきましたし、
今もしています。
そんな中で、自分の経営する会社組織ではない、
会員組織ならではの立ち振る舞いが必要な場面
というのが多々あるはずです。
今回、紹介したコミュニケーションが
“100点満点の正解”などというつもりは全くなく、
あくまでひとつの事例として共有できれば
有意義かなと思い記事にしました。
会“社”組織運営は、人生を豊かにする
六分野(経済/家庭生活/社会生活/健康/精神/教養)の
経済分野ですが、
会“員”組織での活動は多くの場合、社会生活分野です。
六分野を等しくバランス良く成長させることで、
人生の豊かさに直結します。
時に、社会生活分野での立ち振る舞いについて
考える時間を持つことも重要と思っています。
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