あの“唱和”には何の意味があるのか

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人材を強化したい

あの“唱和”には何の意味があるのか

From:海東和貴
自宅の書斎より

私は“会社理念”というものについて、
真面目に成長させていきたいと思っているビジネスなら
どんなに小さな企業においても必要と思っています。

経営者は、自らの志や価値観、そして、
会社組織としての理念を、隅々にまで浸透させ
空気を充満させる方が、よっぽどビジネスは進みやすい
と思っています。

これらを、社訓や社是として、
朝礼や、正式な会議の冒頭で、
唱和しているような光景も目にします。
私がアルバイトをしていた頃にもありましたし、
現在所属している経営者のための社会団体でも、
この唱和があります。

これは、やらされている側からの視点とすれば
「なんでこんなつまらんことやってるの」としか思えないんですよね。
特に「暴論だなあ」と思えたのは、
「とにかく覚えてください」とか言われちゃうこと。

え、覚えればいいの? 
「意味」と「意図」を「行動」に落とし込んで、
初めてこの唱和の時間が成立するんじゃないの?

そんな風に思いましたし、今でも思っています。

唱和は、手段であって目的ではありません。
目的は、理念を浸透させ、空気として充満させること。
その目的を実現するための手段が、唱和。

でも、昔のことはわかりませんが、
現代の人々のライフスタイルにおいては
唱和では理念を浸透させることはできないと思っています。

本当に必要なことは、唱和ではなく、
各セクションの人が、理念や社訓を巡って
自由に意見を交換できる仕組みではないかな、と。 

ご存知、ザ・リッツ・カールトン ホテル。

「クレド」と言われる「企業の信条を書いたカード」を
従業員が全員持っています。 
ただ持っているだけでなく、その内容について、
定期的にかなり熱く議論する機会も設けられています。
従業員は漏れなく、その議論に参加する機会があると言います。

Google で「企業理念」と検索して、
トップに出てきたのはトヨタでした。

トヨタの企業理念:

・内外の法およびその精神を遵守し、
 オープンでフェアな企業活動を通じて、
 国際社会から信頼される企業市民をめざす

・各国、各地域の文化、慣習を尊重し、
 地域に根ざした企業活動を通じて、経済・社会の発展に貢献する

・クリーンで安全な商品の提供を使命とし、
 あらゆる企業活動を通じて、住みよい地球と豊かな社会づくりに取り組む

・様々な分野での最先端技術の研究と開発に努め、
 世界中のお客様のご要望にお応えする魅力あふれる
 商品・サービスを提供する

・労使相互信頼・責任を基本に、個人の創造力と
 チームワークの強みを最大限に高める企業風土をつくる

・グローバルで革新的な経営により、社会との調和ある成長をめざす

・開かれた取引関係を基本に、
 互いに研究と創造に努め、
 長期安定的な成長と共存共栄を実現する

こういったものが出てきました。

例えば、
「今日の朝礼では、
 ・各国、各地域の文化、慣習を尊重し、
  地域に根ざした企業活動を通じて、経済・社会の発展に貢献する
 について話し合います。
 各自、与えられた時間で自分の考えや
 行動の成果を共有してください。」
と時間を与えたとします。

ある人は言うかもしれません。
「地域に根ざした、ということを意識して、
 先週は事業所の周りを朝一で掃除しました。」

ある人は言うかもしれません。
「地域に根ざした、とあるのに、
 Aという部品の納入元が国外になっています。
 これは、企業理念に反しているのではないでしょうか?」

ある人は言うかもしれません。
「地域に根ざし、社会発展に貢献するために、
 こんな企画をつくってみました。」

大切なことは、理念を押しつけることはなくて、
それを浸透させ、空気を充満させることです。
そのために、個々人の“解釈”と向き合う必要があります。
それを実現するための仕組み、とも言えるでしょう。

あなたの会社には、企業理念はありますか?
そしてそれは、全社に浸透し、
全社に空気が充満されていますか??


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