[LINE風]行間の意味が多すぎる日本語| 第124回

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行間の意味が多すぎる日本語| 第124回

前半はエピソードトークのこと、ルパンのアニメについてなどを語っています。
後半は「意見が出ると敵対されている気分になる心理は?」というご質問です。

(ポッドキャスト本編の9:04~)

はい、改めて海東です。
鶴岡です。
よろしくお願いします。
ではご質問をお願いします。
はい。読みます。
社会的にポジションが高いようにみえる役職につくと、
意見が出るだけで敵対されている気分になってしまう。
この心理は何故?
(勉強会でご参加者からいただいたご質問より。)

ありがとうございます。
これ、言わんとすることはわかるでしょ?
うーん。
結局自分の捉え方次第、みたいな話をすればそれで終わっちゃう部分もあるけど、「なんで」じゃなくて「心理は何故」だから、多分コミュニケーションの構造から話した方がいいかなと思います。
うん。
マンションを持ってる人って、必ずマンションの管理組合に入るんですよ。
自治体みたいな。そうすると、輪番なのかわからないけど、年一で役職が変わって、理事長をやる人と一般の人が総会をやるんだけど、ほとんどの所が、理事会メンバーが前を向いて、皆が反対を向いて座る教室スタイル。
うんうん。
あれって向き合ってるので、構図が完全に合戦なんですよ。
意見を発表する側と文句言う側っていう構図ができちゃう。
例えば僕がPTAやった時も慣習的にずっとロの字で、それでもやっぱり前に座るので、対立構造ができちゃう。
なので、全部四人席にするんです。給食みたいに。
うん。
だから、結局全員喋りたい訳。
AのテーブルにいるA1、A2、A3、A4の人って、全員それぞれに喋りたいから、「意見聞けよ」って前の僕らに言うんだけど、
「いや、言いたいことは皆あるから、まずは班でこのテーマについて話してください」
「全員喋ってください」
「誰か書き留めてください」と。
はい。
で、最後に「各1番の人が全体に向けて発表してください」って言うと、A1の人がA1,A2、A3、A4の意見を発表するので、A2~A4の人も意見をその場で発言したことになるんですよ、体験として。
で、対立軸じゃなくて、全体で意見を混ぜたっていう体験が残る。
意見を言われたときに、文句なのか、建設的な意見なのかっていうのは、構造によって見え方が変わってくるってことがある。
というのがまず一つ。
うん。
意見が出るだけで敵対されている気分になってしまうっていうのは、うちの妻が一時期そうだったんだけど、子どもが「ご飯何時?」って聞くと、「いや今作ってるから!」みたいな。
早くしてよ!って言われてる気分になっちゃう?
そう。
子どもは、ご飯が何時か聞きたいだけなんです。
もちろん大人になればもっと聞き方あるんですよ。
「ちょっと今から用事するんだけど、だいたい6時くらいまでのつもりでいたらいいかな」だとまだわかるけど、子供はそんなのわからないから、「何時?」ってなる。
それって、対お子さんじゃなくても、旦那さんとか、海東さんからとか言われることでもきっとそうですよね。
そうそう。
ただ情報だけ聞いてるのに。
そういう風に受け止められない。
そう。
これって、英語にするとすごくシンプルになるんですよ。
例えば、部下が上司に「あの書類ちゃんと出してくれたかな」と思った時に、「例の書類出してくれました?」って聞くと、人によっては頭にくるんですよ。
うんうん。
なぜかって、日本語で「書類出してくださいましたか?」って言うのって、「出してないかもしれないコイツ」っていう評価が、捉えようと思えば捉えられるからなんですよね。
なるほど。
もうちょっと言うと、「あ、それ良いじゃん!」って言うとするじゃない。素直に「あ、ステキ!」って思ってるんだけど、「良い」の対義語「悪い」だから、評価を下されていると思う人が一定数いるんですよ。
なるほど?
でも英語だど、「Did you hand in that document?」とか言うと、hand inしたことだけしか聞いてない。
渡したことだけ教えてくれって言ってるから、評価が含まれないんですよ。
日本語はすごく難しいので、何を言われても評価されてるように聞こえちゃうのはしょうがない。
夏休みの宿題終わったの?
とか、お部屋片づけたの?とか、
今やろうと思ってたのに!みたいな。
そうそう。
終わってないと思ってるのか!とも言えるじゃない。
評価をされてると思うと。
やってないけど。
うん、やってないけど(笑)
(笑)
なので、日本語は基本的に行間の意味が多すぎる。
捉えようと思えばいくらでも捉えられるので、時にそうやって空気を読むとか相手の気持ちを読むときに、言葉の幅を最大限受け止めることは大事だけど、単純に部下からの質問とか意見の時は、一番最小単位で必要な所だけ取ればいいんじゃないかと思うんです。
うんうん。
心理的に、確かにコミュニケーションの構造上、敵対って捉えられてしまうことはあるので、構造で解消できる部分は解消しつつ、それでも無理な場合は心理的な要因を超えてるので、言葉のそもそもの生い立ちの話になってくる。
なので、一番ミニマムな話で取るといいんじゃないかと思います。
多分、高い役職に就くと、自分もしっかりしなきゃとか、責任感も生まれるし、プライドだってあるし、守りが高くなると思うんですよね。
自分の周りにある壁が高くなることによって、今まで気にならなかったものも壁に当たってくるから、余計に反応しちゃうんだと思います。
あ~、なるほど。
だから、もしその壁を自分が下げてどっしり構えて、何言われても「あ、そうなんだ」って言える状態でいれば、そんなに気にならなくなるんだと思います。
うん。
役職に就きたての時って、誰でもそうだと思うんですけど、壁が上がるじゃないですか。
そうだね。
ちょっとだけ次の話に行っちゃったけど、それは恐らくその通り。
要は、共感と同調は別なんですよ。
うんうん。
だから、敵対されているってことは、自分とは違う価値観のことを言ってきているはずで、同調すると負けた気もしちゃう。
でも共感って、「確かにそういう意見もあるよね」だけなんですよ。
そうですね。
それは良い悪いじゃないし、採用するかは別として、同調と共感の区別がつけば多分ここを乗り越えられる気がするし、そもそものコミュニケーションの構造上、そういう風にならないように持っていくことも大事ですし、どうしてもなっちゃったら、捉え方とか、同調と共感を使い分けるっていうのも大事。
うん。
言葉の意味で、「空は青い」って言うじゃないですか。
あれを、心底「空が青いなぁ」って感動してる時間って、多分めちゃくちゃ今少なくて。
そうですね。
例えば、東京湾見て「青い」って思うじゃないですか。
まぁ青いっていうか黒いっていうか……。色を言うじゃないですか。
はい(笑)
でも、沖縄のすごく青い海を見て「青い!」って言う、あれを、僕ら、青空を見てあんまり言わないでしょ、最近。
というか大人になってから。
そうですね。
どこかに行かないと、なかなか今自分がいるスペースの中ではそう思うことは少ないかもしれないです。
そうですよね。
でも、青いと思うことはありますでしょ。
はい、「今日は天気いいな」とか。
あれって、空が青いっていう言語情報を処理しているだけなんですよ。
ふ~ん?
例えば、ドレミの歌聞いて今感動する人は少ないかもしれないですけど、サウンドオブミュージックの女優さんが歌ってる曲を聞いて、「やっぱりいい曲だな」って感動する時って、あの時って音符で認識してないはずなんですよ。
そのまま受け止めて、「わ~、綺麗、美しい!」って。
うんうん。
でも、我に返ると「ドレミドミドミ~」って出ちゃったり。
はい。
青も、青って記号で認識してるんですよ、僕ら。
だけど、本当に記号を度外視した感動ってやっぱりあって、その時ってもう言葉なんていらないから、言葉の呪縛にちょっと囚われすぎているかもしれない。
うん。
琴線の話じゃないけど、例えば、すごい感動を部下の人と一緒にするとか。
だから言葉を超えた疎通が一つできるといいんじゃないかと思ったんですけどね。
うんうん。
脱出ゲームをチームでやるといいらしいですよ。
あ~、あれ時間も制限があるし、協力体制がすごく生まれますもんね。
言葉でも喋るけど、阿吽の呼吸でフッと目線やったりとかも多分ある。
アドレナリンめっちゃ出るし。
そうそう。
色々工夫のしようで、敵対されされていると思わずに済む捉え方もあろうかと思うので、工夫してみるといいんじゃないかと思います。
うんうん。
「ネガティブな情報こそ挙げてくれ」っていう風土を作っておくと楽ですよ。
大企業なんかは怒られたくないから、ネガティブな情報を挙げずにポジティブな情報ばっかり挙げてると、どんどん現場に変なものが溜まっていく。
……みずほ銀行のシステムエラーも絶対そういうことだと思うんだけど(笑)
あの延々続くエラー(笑)
「ネガティブな情報むしろウェルカムだから!」っていうスタンスを取っておけば、向こうも「ウェルカムなら言おう」ってなる。
言葉がキツくたって、いつでもウェルカムだから、ってことだから。
敵対とはまた違う捉え方になれるはずだし、構造上変えられるといいんじゃないかな。
今、壁上がってるなぁって認識してます。
箱に入ってるって話だよね。
そうそうそう!
箱に入る。
箱に入るっていい表現だよね。
いい表現!
箱に入っている自分を感じたら、まず出ろと。
そうそう。
守るものが出るから。
自分のプライドとかを守りたいって思うから箱に入るから、「あ、箱に入った」と思ったらパッと出る勇気を持って。
自分、頑張ろうとしてるんだな~って。
ね。敵対とは捉えづらくなってくるよね。
だから、敵対されていると感じてしまう心理は何かっていうと、まとめると『箱に入ってる』ってことですね。
周りに四方八方壁があるから(笑)
伊坂幸太郎さんの作品が好きで、多分ポッドキャストでも何度も出してますけど、人は物を持つと守ることが必要になってくる。
あ~、まさにそれだと思います。
莫大な資産を持った登場人物が一人いるんですけど、「守りに入ったら駄目だ」って言って、山奥の田舎町で城壁も何もない、鍵もかけない家に住んでる。
でも、お金を求めて来る人がいたら、「なんで困ってるの?」って言って、本当に渡して解決するなら渡しちゃうと。
この人は渡しても解決しないな、世界から逃げてきたんだなと思ったら、「そこの家使っていいから」みたいな。
どんどん入れちゃう。
ふ~ん。
……という人がいたけど、持ってるものが増えると、守らなきゃいけなくなる。役職もそう。
でもその役職を守る必要もないから、守る必要ないと思って防御を解除して箱から出れば、また少し見えてくるものがあるのかなと思いました。
いいですか?
いいと思います!
じゃあよろしくお願いします!
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よろしくお願いします。
ありがとうございます!

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