魔法の薬を求めている

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新製品・新事業を開発したい

魔法の薬を求めている

From:海東和貴
丸の内のオフィスより

私は、子どもたちの通う小学校で、
PTAの代表をしています。
運動会などで「次は、PTA会長の挨拶」などと言われ、
壇上に上げられる、あの立場です。

過日、Facebookにて、友人限定の投稿で、
下記のような内容を公開しました。

* * *

除菌、消臭、危険は排除。

菌はない方が良いし、臭いもない方が良いという価値観が植えつけられている。
でも、実際は世の中の多くの場面で、菌が重要な役割を担っている。
人が生きていれば、臭いもする。「口臭」という言葉は、
リステリンを売るためにつくられた言葉。

今の世の中、子どもの周りを「綺麗」にしすぎていると思う。
事あるごとに石鹸で手を洗い、給食当番はマスク着用。アルコール消毒。
実際、世界はそんなに綺麗じゃない。

世界は危険に満ち溢れている。

危ないからといって、子どもから「危ないこと」を体験する機会を奪ってしまっていては、
いざその子どもが大人になったときに、危険に満ちた世界をみて、
打ちひしがれるだけではないか。
もちろん、危険な要因を減らすことは大事だけれど、バランスも大事。
今はやりすぎている部分がある。
「危ないから」という理由で、子どもの経験値を上げる機会がどんどん損なわれている。

子どもの経験値を増やすという観点に立ったとき、
どんな選択肢があるのか。改めて考えることが必要なのではないか。

・・・といったことを公の会議で発言しました。
どこまで理解されたかわからないけど、言う必要があると思いました。

菌もいない、危険な要素もない、何かトラブルが起きたら親が率先して解決してあげる。
こんな綺麗すぎる世界を子どもたちに見せ続けることは、
大人のエゴなんじゃないかと思うんです。
それより、汚いもの、異質なもの、危険なものに出会ったときに、
どのように対処するかを考え、体験させることの方が、
よっぽど「教育」だと思っています。

子どもの、自らの可能性を切り拓き強く生き抜く力を、
もっと信じてあげても良いのではないか。
だって、子どもは親が思う通りには育たないんだから。
自分で生きていく力をつけてあげないと。

* * *

これを、ビジネスに置き換えるとどうなるか。

実際、顧客が抱えている全ての悩みを、
一発で解決してあげることは不可能です。
手取り足取り、危険や苦難を排除してあげることは不可能です。
顧客が自ら、目的の実現のために成長してもらうことは
どうしても必要になる場合があります。成長には、痛みが伴います。
子育てと同じです。

例えば、エステ。
求める身体をデザインするためのサポートはしてくれますが、
食事制限や運動など、顧客自身の生活改善は求められます。
理想の肉体を手に入れるために自らを教育し、
多少の痛みを受け入れる必要があります。

でも。

大手エステ会社の電車内の広告などをみると、
食事制限や運動に関する記述はない、ですよね?
行くだけで悩みが解決する、と思えるような内容です。

つまり、そういうことなんです。

人は「魔法の薬」を求めています。
それを飲めば、全てが解決する、魔法の薬。

あなたのビジネスにおいて、課題解決や目的の達成のために、
「顧客に体験してもらわねばならない面倒くさいこと」は何ですか??

実はそれ、見込み客を開拓する段階では
出さない方が良い情報かもしれません。
マーケティングにおいて最初に必要なことは、興味を持ってもらうこと。
その段階で、不必要な情報もあります。

成約の前に伝えれば、
(つまり、見込み客が顧客化する際に伝えれば)
それで充分の情報もあります。
マーケットから見込み客を区別する段階では、
そのような情報は必要ないかもしれません。

会社案内や、ホームページ、ブログなどに、
そのような「意図しない情報」が載っていませんか??
もしあるとすれば、その全てを
「意図する情報」に置き換えることを検討してみてください。

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