i’m lovin’ it

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人材を強化したい

i’m lovin’ it

From:海東和貴
お堀が見えるパレスホテルのラウンジより

マクドナルドが2003年に導入した、
全世界統一の宣伝用フレーズ(コピー)。

「i’m lovin’ it(アイムラヴィニット)」

広告代理店DDBが、ポール・ティリーに制作を依頼したものです。

このコピー、何故
「you’re lovin’ it」
ではないのでしょう。

* * *

最近、弊社クライアントに
「ニュースレターの発行」を勧めることがあります。
先日、とある士業の方にニュースレターの発行を勧めたところ、
早速、大量の記事を執筆して送ってきてくれました。
(アクションが早いことは、とても素敵です。)

その中で、ひとつアドバイスをしたことがあります。
主に経営者に向けた内容の記事だったのですが、

– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – 
読んでいる人が「自分がネガティブな方の群にいる」
と思わないように、仮想の誰かを設定すると、
更に読みやすくなります。
「こういう社長がいました」という書き方にすると
自分のこととして捉えないで済みつつも、
戒めとして捉えられるような文章になります。
– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – 

とアドバイスをしました。

要は、こういうこと。

「こういう経営者はだめ」という切り口の記事だったのですが、
その“だめな経営者”が“読み手”である、
という捉え方をされる恐れのある文章だと要らぬ反感を買う恐れがある、
とアドバイスしたのです。

ダメなのは“あなた”ではなく、
“あなた以外の誰か”という書き方にすることによって、
読み手は自分が責められたと思わずに済み、
かつ、「そういう経営者にならないようにしよう」と
戒めとして本来の書き手のメッセージを
読み取ってくれやすくなるということなんです。

冒頭に戻りましょう。

「i’m lovin’ it(アイムラヴィニット)」
このコピー、何故
「you’re lovin’ it」
ではないのでしょう。

* * *

答えは、“反発”です。

テレビの向こうから「“あなた”はそれが好き」と
特定の行動を強要されたようなイメージを与えるコピーだと、
ブランドに対する反発に繋がりかねないから、と考えられます。

その反発から、それが仮に無意識であったとしても
「私はそれが好きではない」と真逆の思い込みを生む恐れがある、
ということなんです。

これが“You”ではなく“I”であることによって、
広告に登場している人物の言葉として捉えられます。

それが反芻される中で、いつしかそれが
“I(自分)”の言葉として意識下で融合され、
そのフレーズ通りの行動や価値観を生む、
という作用を期待して制作されたフレーズと考えます。

言葉、たった、ひとつ。
されど、言葉、たったひとつ。

あなたが発するメッセージで、
単語やフレーズを再考することによって、
より効果的に顧客に伝えることのできるメッセージはありますか?

 

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