スタッフに仕事の“価値”を理解してもらう方法

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スタッフに仕事の“価値”を理解してもらう方法

From:海東和貴
自宅近くのカフェより

ひとりの、シャッター保守作業員がいました。
毎日、自社が設置した電動シャッターが
正常に作動しているか、
各所の物件をまわって点検しています。

ある日、彼はとある物件で、
不具合を発見します。

その物件は、集合住宅でした。

お母さんが子どもを乗せる「ママチャリ」や
子ども用の三輪車などがみえます。
家族世帯の多い物件のようです。

その不具合とは、安全装置の異常でした。

シャッターが閉まる際に、下にモノや人がいると
センサーが反応し、動作が止まる仕掛けです。

そのセンサーが壊れているので、
今、シャッターが作動している際に
下に子どもがいても、シャッターの動作は止まりません。
挟み込まれてしまう恐れがあります。

ここで、2つの視点を考えてみます。

ひとつ。
彼が、自分の仕事を
「シャッターを点検する仕事」だと思っている場合。

シャッターの点検が仕事ですので、
異常を見つけたら、既定通りに書類にその旨を書き、
それを管理会社に渡して、会社に帰るだけですね。

ふたつめの視点に行く前に、考えてみます。

私たちが、音楽をCDやデジタル媒体で求める際、
お金を支払いますが、それは何のためでしょうか。

どんな「価値」を求めているから、
お金を払うのでしょうか。

それは、
マテリアルとしてのCDを求めるためでも、
デジタル媒体の「電子信号」を
求めるためでもないですよね。

そこに含まれている「音楽」を聴くことで、
安らぎや高揚感を得て、
琴線を揺り動かすという体験を買うために
お金を支払うわけです。

シャッター点検の話に戻します。

シャッターの保守契約の意義。
それは「点検」に付加価値があるのではありません。

「点検」によって、
「装置が安全に動作し」
「安心した日常生活を送れること」
に付加価値があるのです。

ここで、ふたつめの視点に移ります。

もし彼が、自分の仕事を
「シャッターを点検すること」としてではなく、
「自分の仕事は、ユーザーが
安心して生活を送ることのできる
お手伝いをすること。」
と捉えていたとしたらどうなるでしょう。

「すぐに社に戻って、いつまでに
修理対応ができるか、確認します!」
と言ったり。
安全装置が働かない場合の
「応急手段」の提案をしたり。
「車に乗っている人に、
こういう形で、注意喚起してください。
できるだけ早く直しますから!」
と言ったり。

いろいろとできることがあります。

これ実は、過去に
弊社の管理物件で起きた実話なのですが。

結局、点検後に数日経ってから
私が「いつ直ります?」
と電話するまで、何もしなかったのです。

勿体ない。

自分の仕事が、
どういう付加価値を創造しているのか、
きちんと考えるだけで、
飛躍的に仕事の質が上がると思うんです。

あなたは、ご自身のスタッフに、
その仕事の意義をきちんと伝えていますか?
そして、それを自分なりに
考えさせる時間を取っていますか?

もし切り口が難しい場合には、
こう質問をしてみてください。

「私たちの仕事は、基本的には問題解決業です。
世界の誰かの問題を、壮大な方法で解決しています。
誰が持っている、どんな問題を、
どんな壮大な方法で解決していると思う?」

きっと、スタッフは考えたこともないような答えを
思いつくはずです。

あなたも、この質問の答えを考えてみると、
新しいブレークスルーがあるかもしれません。


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