“別腹”と金融

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“別腹”と金融


From:海東和貴
目黒のスターバックスより

今からおよそ7万年間、
ホモ・サピエンス種に属する我々の先祖が
“文化”を形成し始めました。

これ以降の人間の文化の発展が“歴史”です。
そして、今から1万3千年前に
ホモ・フローレシエンシスが絶滅し、 
ホモ・サピエンスが地球上に唯一生き残る人類となります。

そして、今から1万2千年前に農業革命が起こり、
我々の先祖は植物を栽培し、
動物を家畜として扱うようになりました。

この頃から、一定の エリアに“定住”するようになります。

農業革命が起こり定住した
1万3千年前から今日までの1万3千年間と、
人類が文化を形成し始めた
7万年前から1万3千年前までの5万7千年間は、
ざっくり4.3倍の期間の差があります。

私たちの先祖は、5万7千年の間を
狩猟採集民族として暮らし、
その後の1万3千年の間を農耕民族として暮らしてきたのです。

狩猟採集民族の間、
人々が食べていたものは基本的に野性味の溢れる、
どちらかといえば苦くて
エグみのあるものがメインでした。

時に木イチゴなどの甘いものを見つけても、
当時は保存の技術がありませんから、
栄養補給のためにすぐにその場で食べてしまう必要がありました。
滅多に食べられない珍しい甘い物を、
すぐに栄養に転換したかったのです。

この当時の本能的な要素が、今日でも「甘い物 は別腹」として、
お腹がいっぱいなのに甘い物は食べられてしまう習性として
残っていると言われています。

さて、その当時の習性が“お金”の面にも残っています。
私たちが狩猟採集民族として暮らした5万7千年間は、
言い換えれば「目の前にある“資源(リソース)”を
すぐに効果的に使う」というスキルが必要でした。
数ヶ月先、数年先のことを考える能力よりも、
今をどう生きるかを瞬間的に判断する能力が求められていました。

そのように生きてきた5万7千年間の習性が、
その後の1万3千年間で完全に打ち消せてはいないのです。
言うなれば、私たちの頭は
「もはや存在していない時代に合わせて配線が組まれたまま」
とも言えます。

目の前に木イチゴがあれば、その場で食べてしまうのです。
目の前にケーキがあれば、お腹がいっぱいでも食べてしまうのです。
目の前にお金があれば、本能的に使ってしまうのです。

これが、人類が長年培ってきた
「目の前にある“資源(リソース)”をすぐに効果的に使う」という能力です。

では、この習性を持った我々が
「ビジネスを経営する」という場合には、
どういった考え方をインストールすれば良いのでしょうか。
どのようにすれば、歴史の中で組み込まれた本能的な要素を統制して、 
適切に中長期的な視点を持って
お金を扱うことができるようになるのでしょうか。

そのまず第一歩は、 
“経理部長”と“財務部長”の違いを認識することです。
この話を軸に、次々回(次回はペンシローの記事)に繋げます。

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