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人生の“フック”を増やす 本
From:海東和貴
新宿駅近くのカフェより
“人生は一箱のマッチに似ている。
重大に扱うのは莫迦莫迦しい。
重大に扱わなければ危険である。”
かつて読んだ本に、線を引いた箇所です。
芥川龍之介さんの『侏儒の言葉』という本。
当然ながらこの本に限らず、
書物の中には、
結晶化された言葉が溢れています。
例えば、重松 清さんの『流星ワゴン』。
“泣けばいい。
悲しいんだと伝えてくれればいい。
親にとってなによりもつらいのは、
子どもが悲しんでいることではなく、
子どもが悲しみを自分一人の
小さな胸に抱え込んでいることなのだと、
僕はやり直しの現実で知った。”
書物に引いた線は、
自身の心にとっての
「フック」のような存在だと思っています。
引いた場所の言葉をそのまま覚えるのではなく、
後から「あ、そういえば、
あの本にこういう表現があったな。
どこだっけな。」となったときに、
思い出したり、
見つけたりするための
引き出しの取っ手となるような存在です。
フックが多くても
人生の足枷(あしかせ)にはなりませんが、
フックが多ければ多いほど、
その人の人生は彩り多いものになるはずです。
チープな言葉ですが、
本は、人生を豊かにします。
それはもう、明確に。
加えて、本って「投資」に対しての
「リターン」がすさまじいと思っています。
投下した時間と購入費用を天秤の片側に乗せて、
もう片側に「その本から得たもの」を乗せたら、
もの凄い勢いで後者の側が落っこちると思うんです。
要は、それだけ重いということ。
アメリカの大統領だったジョン・F・ケネディさんが
日本人記者団と会見した際に
「あなたが最も尊敬する日本人は誰ですか?」
と質問されたことがありました。
そのとき、ケネディさんは即座に
「ウエスギヨウザンです」
と答えたと言われています。
残念ながら、日本人記者団側が
ウエスギヨウザンを知らず
「誰だ?」となってしまったようですが、
上杉鷹山とは江戸時代中期の大名で、
出羽国米沢藩の第9代藩主です。
彼の生涯を描いた小説、
童門冬二さん著『小説・上杉鷹山』を読みましたが、
それはもう、線を引くべき箇所がたくさんありました。
得るものが多く、非常に重い本でした。
中でも、今回ここに書くとしたら、
“改革のいちばんのむずかしさは、
古いことをこわすのでも、
新しいことを始めるのでもなく、
始めたことをいかに維持するかだ”
というもの。
本を読むとは、歴史に学ぶこと。
人がこれまでに歩んできた道、
そしてその中で得た叡智を、
端的に纏めてあるのが本です。
別に小説や新書だけが「本」ではありません。
漫画、エッセイ、お笑いの脚本からも、
叡智やひらめきやは得られます。
どんなジャンルの本でもいい。
あなたの人生のフックを増やすために
今週はどんな本を読みましょうか??
今日もお読みいただき、
ありがとうございます。
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